佐々木 味津三
右門捕物帖
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――今回はいよいよ第七番てがらです。
由来、七の数は、七化け、七不思議、七たたりなどと称して、あまり気味のよくないほうに縁が多いようですが、しかし右門のこの七番てがらばかりは、いたって小気味のよい捕物美談ともいうべきもので、しかも事の勃発いたしましたのは、あの古井戸事件がめでたく落着してからまもなくの、といっても十日ほどたったちょうどお盆の十六日のことでした。
下世話にも、この日は地獄のかまのふたのあく日だなぞと申しますが、お番所のほうでも平生おえんまさまの出店みたいな仕事に従事しているためにか、この十六日ばかりは少数の勤番当直をのぞいては、いずれも十手取りなわをすててしまい、お昼すぎから例年うちつれだって築地河岸の木魚庵という料亭におもむき、親睦会をかねた慰労の宴を催すならわしでしたから、右門もちょうど非番でございましたので、少しおそがけに伝六を伴って、その会場に出向いてまいりました。