三好 達治

詩四章

春の計畫

粉雪の中で 四十雀が啼いてゐる 春が眞近にせまつてきた谿間で風が鳴つてゐる 楢山毛欅櫟 それらの枯葉が 雪の上を走つてゐる山山よ 裸の木木よ 樂しい冬も 間もなく冬も終るだらう懷かしい私の友垣 風よ 雲よ 山山よ 私達の友情の さて 春の計畫を考へよう

その昔

その昔 その山のその旅籠へは 米も野菜も新聞も 煙草も手紙も

青空文庫の作品カード