江戸川 乱歩
女妖
一
いつ、どこで、どうして、死ぬかということが、ただ一つ残っている問題だった。
青山浩一は、もと浜離宮であった公園の、海に面する芝生に腰をおろして、向うに停泊している汽船を、ボンヤリと眺めていた。
うしろには、まっ赤な巨大な太陽があった。あたりは見る見る夕暮の色を帯びて行った。ウイーク・デイのせいか、ときたま若い二人づれが通りかかるほかには、まったく人影がなかった。
江戸川 乱歩
一
いつ、どこで、どうして、死ぬかということが、ただ一つ残っている問題だった。
青山浩一は、もと浜離宮であった公園の、海に面する芝生に腰をおろして、向うに停泊している汽船を、ボンヤリと眺めていた。
うしろには、まっ赤な巨大な太陽があった。あたりは見る見る夕暮の色を帯びて行った。ウイーク・デイのせいか、ときたま若い二人づれが通りかかるほかには、まったく人影がなかった。