ルヴェル モーリス

碧眼

女は寝台のそばに立って、しょんぼりと考えこんでいた。病室用のだぶだぶな被布にくるまっているせいでもあろうが、何だか実際よりも痩せ細って見えた。

あの愛くるしい顔もすっかり衰えてしまった。眼の縁はうすく黯ずんだけれど、哀愁をたたえた底知れぬ深さの碧眼が不釣合なほど大きく見えて、それが僅かに顔の全体を明るくしているようだ。頬は、肺病患者によくある病的紅潮を呈し、そして鼻の両側に出来た深い凹みは、恰かも止め度ない涙のために、そこのところだけ擦り耗ったかと思わせるのであった。

彼女は、受持の医員が傍へやって来たのを見て、お辞儀をすると、

「おい四番、お前さんは外出したいって云ったそうだが、本統かい」

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