グリム ヴィルヘルム・カール・グリム ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール

マリアの子ども

ある大きな森のまえに、ひとりの木こりが、おかみさんといっしょに住んでいました。子どもは、三つになる女の子がたったひとりしかありませんでした。

木こり夫婦はたいへん貧乏で、その日その日のパンもなく、子どもになにを食べさせたらよいか、とほうにくれるほどでした。

ある朝、木こりは心配ごとに胸をいためながら、森へしごとにでかけました。木こりが森のなかで木を切っていますと、ふいに、背の高い美しい女の人が目のまえにあらわれました。みれば、女の人はぴかぴかかがやく星のかんむりを頭にいただいています。女の人は、木こりにむかっていいました。

「あたしは聖母マリア、幼子キリストの母です。おまえは貧乏で、その日のものにもこまっていますね。あたしのところへおまえの子どもをつれていらっしゃい。あたしがその子をつれていって、めんどうをみてあげましょう。」

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