山川 方夫

お守り

――君、ダイナマイトは要らないかね?

突然、友人の関口が僕にいった。四、五年ぶりでひょっこり銀座で逢い、小料理屋の二階に上りこんで飲んでいる途中だった。

関口とは、高校までがいっしょだった。いま、彼は建築会社につとめている。だからダイナマイトを入手するのもさほど難しくはないだろうが、いかに昔から変わり者だった彼にしても、その発言はちょっと突飛だった。

――べつに。もらっても使いみちがないよ、ぼくには。

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