グリム ヴィルヘルム・カール・グリム ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール

かわいそうな粉ひきの若いものと小猫

ある水車ごや(1)に、粉ひきのおじいさんが住んでいました。おじいさんのとこには、おかみさんもいず、子どももなく、若いものが三人奉公しているだけでした。この三人がここになん年かいてからのこと、ある日、おじいさんが若いものに、

「わたしも、としをとってな、ストーブのうしろへすわりたくなったよ。おまえがた、旅にでなさい。それでな、そのみやげにいちばんいい馬をもってきたものに、この粉ひき所をあげる。そのかわり、この小屋をもろうたものは、わたしを、死ぬまでやしのうてくれるのだぞ」といいました。

ところが、この若い者のうちで三番めのは下っぱのおいまわしで、あとの二人からは、わからずや扱いにされていて、これに粉ひきごやをせしめられるのは、ふたりとも感心しません。もっとも、この男のほうでも、べつに小屋をほしいともおもっていないのです。

とにかく、三人そろって旅に出たものですが、村をではずれると、兄弟子ふたりは、わからずやのハンスに、

青空文庫の作品カード