山本 周五郎

海浜荘の殺人

四人の客

「エル、まだかい」

ベランダから無遠慮に覗きながら、高野千之が声をかけた。鏡台に向って日灼け予防の白粉を塗っていた志津子は吃驚して、

「厭アよ千ちゃん、そんな処から覗いたりして、お化粧してるとこなんか男が見るもんじゃないわ」

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