山本 周五郎
廃灯台の怪鳥
見よその頸には怪鳥の爪痕が!
「きゃーッ」
遠くの方から、幾つかの反響を呼び起しつつ、微かに長く人の叫び声が聞えて来た。
寝台に横わったまま、枕卓子の上の洋灯の光で雑誌を読んでいた桂子は恟としながら頭を擡げた。――岸を噛む怒濤が悪魔の咆叫ぶように、深夜の空に凄じく轟いているほかは、ひっそりと寝鎮った建物の中に、何の物音もしていない。
山本 周五郎
見よその頸には怪鳥の爪痕が!
「きゃーッ」
遠くの方から、幾つかの反響を呼び起しつつ、微かに長く人の叫び声が聞えて来た。
寝台に横わったまま、枕卓子の上の洋灯の光で雑誌を読んでいた桂子は恟としながら頭を擡げた。――岸を噛む怒濤が悪魔の咆叫ぶように、深夜の空に凄じく轟いているほかは、ひっそりと寝鎮った建物の中に、何の物音もしていない。