ルヴェル モーリス

暗中の接吻

「御免なさい……御免なさい……」

女は膝まずいて哀願していた。男は少しやさしい口調になって、

「起ちなさい、もう泣かんでもいい。おれにも欠点があったんだからな」

「いいえ、貴郎、飛んでもない……」

青空文庫の作品カード