ルヴェル モーリス
情状酌量
フランソアズは倅が捕縛されたということを新聞で読んでぎょっとした。
けれど、初めのうちはとても真実と思えなかった。それはあまりに途方もない出来事であったから。
可愛い倅はごく内気な律儀者で、こないだの復活祭の休暇には、彼女の許へ帰省していた。そして隊へ帰って行ってからまだ一月と経たぬのに、その者が賊を働いた上に殺人罪を犯したということがどうして信じられよう。
倅が兵隊服を着て、あのまん丸な若々しい顔に人懐っこい微笑をうかべながら佇っている姿が、今もまざまざと見えるようだ。そして別れ際に、彼が、皺くちゃの頬ぺたに接吻をしてくれたっけ――そんなことを思いだすと、彼女は平和な、幸福な記憶で胸が一杯になるのだ。