グリム ヴィルヘルム・カール・グリム ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール
十二人兄弟
むかしむかし、あるところに、王さまとお妃さまとがおりました。ふたりはたいそうなかよくくらしていました。十二人のお子さんがありましたが、みんなそろいもそろって男の子ばかりでした。
さて、あるとき、王さまがお妃さまにむかっていいました。
「こんど生まれる子どもが、もし女の子だったら、十二人の男の子はみんな殺してしまおう。そして、その女の子の財産がたくさんになって、この国がその子ひとりだけのものになるようにしてやろう。」
王さまは、ほんとうに、十二のお棺までもこしらえさせました。そのなかには、すでにかんなくずもつめてあって、ひとつひとつに、死人のための小さなまくらまでもいれてありました。王さまはこれをひとつのへやにはこびこませて、かぎをかけました。そして、そのかぎをお妃さまにわたして、このことはだれにもいってはならぬ、といいわたしました。