グリム ヴィルヘルム・カール・グリム ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール
赤ずきん
むかしむかし、あるところにちっちゃな、かわいい女の子がおりました。その子は、ちょっと見ただけで、どんな人でもかわいくなってしまうような子でしたが、だれよりもいちばんかわいがっていたのは、この子のおばあさんでした。おばあさんは、この子の顔を見ると、なんでもやりたくなってしまって、いったいなにをやったらいいのか、わからなくなってしまうほどでした。
あるとき、おばあさんはこの子に、赤いビロードでかわいいずきんをこしらえてやりました。すると、それがまたこの子にとってもよくにあいましたので、それからは、もうほかのものはちっともかぶらなくなってしまいました。それで、この子は、みんなに「赤ずきんちゃん」「赤ずきんちゃん」とよばれるようになりました。
ある日、おかあさんが赤ずきんちゃんをよんで、いいました。
「赤ずきんちゃん、ちょっとおいで。ここにおかしがひとつと、ブドウ酒がひとびんあるでしょう。これをね、おばあさんのところへもっていってちょうだい。おばあさんは病気で、よわっていらっしゃるけれど、こういうものをあがると、きっと元気になるのよ。じゃ、暑くならないうちに、いってらっしゃい。それからね、そとへでたら、おぎょうぎよく歩いていくのよ。横道へかけだしていったりするんじゃありませんよ。そんなことをすれば、ころんで、びんをこわしてしまって、おばあさんにあげるものが、なんにもなくなってしまうからね。それから、おばあさんのおへやにはいったら、いちばんさきに、おはようございますって、あいさつするのをわすれちゃだめよ。そうして、はいるといっしょに、そこらじゅうをきょろきょろ見まわしたりするんじゃありま