グリム ヴィルヘルム・カール・グリム ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール
三本の金の髪の毛をもっている鬼
むかし、あるところに、ひとりのまずしい女がおりました。この女があるときひとりの男の子を生みましたが、その子は頭に(1)〈福の皮〉をかぶって生まれてきました。それで、この子は十四になったら、王さまのお姫さまをおよめさんにもらうだろう、という予言をしたものがありました。
それからまもなくのこと、王さまがこの村にやってきました。けれども、それが王さまだとは、だれひとり夢にも知りませんでした。王さまは、なにかかわったことはないかと、村の人たちにたずねました。すると、みんなはこたえて、こういいました。
「さいきん、福の皮をかぶった子どもが生まれました。こういう子どもは、なにをやってもいい運にめぐまれているものです。じっさい、その子についても、十四になったら、王さまのお姫さまをおよめさんにもらうだろう、という予言をしたものもあるんですよ。」
王さまはその予言のことをきいて、ひどく腹をたてました。しかし、もともと腹黒い人でしたから、その子のおとうさんとおかあさんのところへいって、いかにもしんせつそうなふりをして、こういいました。