グリム ヴィルヘルム・カール・グリム ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール
七羽のカラス
むかし、ある男に七人のむすこがありました。けれども、むすめはひとりもありませんでした。それだけに、この男はむすめをたいそうほしがっていました。
そのうちに、おかみさんのおなかが大きくなって、子どもが生まれそうになりました。やがて生まれた子どもは、待ちにまっていた女の子でした。
この男はどんなによろこんだかしれません。けれども、子どもは小さくて、やせこけていました。そして、からだがよわいため、すぐにかりの洗礼をうけさせなければなりませんでした。
おとうさんは、男の子のひとりをおおいそぎで泉にやって、洗礼の水をもってこさせようとしました。すると、ほかの子どもたちも、いっしょにかけていきました。そして、みんなが競争で水をくもうとしたものですから、つぼが手からすべって、泉のなかにおちてしまいました。