グリム ヴィルヘルム・カール・グリム ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール
手なしむすめ
ある粉ひきの男が、だんだん貧乏になりました。そして、とうとうしまいには、粉ひきの水車と、そのうしろにはえている一本の大きなリンゴの木のほかには、なにひとつないようになってしまいました。
あるとき、粉ひきが森にはいって、たきぎをとっていますと、見かけたことのない、ひとりのおじいさんが粉ひきのところへやってきて、
「おまえは、なんでそんなにほねをおって木を切っているのだね。おまえが、水車のうしろに立っているものをわしにくれると約束すれば、わしはおまえを金持ちにしてやろう。」
と、いいました。