グリム ヴィルヘルム・カール・グリム ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール
なぞ
むかし、あるところに、ひとりの王子がおりました。王子は世のなかを歩きまわってみたくなりましたので、忠義な家来をひとりだけつれてでかけました。
ある日のこと、王子は、とある森のなかにはいりこみました。そのうちに、日がくれてきました。けれども、まだ宿屋が見つかりません。それで王子は、今夜はどこで夜をあかしたものだろうかと、とほうにくれてしまいました。
と、そのとき、ひとりのむすめが小さい家のほうへ歩いていくのが、目にとまりました。そこで、近よってみますと、それはわかいきれいなむすめでした。王子はむすめに声をかけて、いいました。
「むすめさん、今夜ひと晩、わたしと家来とをとめてもらえませんかね。」