グリム ヴィルヘルム・カール・グリム ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール

三つのことば

むかし、スイスの国に、ひとりの年をとった伯爵が住んでおりました。伯爵にはむすこがひとりしかありませんでしたが、そのむすこはばかで、なにひとつおぼえることができないありさまでした。

そこで、あるとき、おとうさんがいいました。

「これ、せがれ、わしはおまえの頭になにひとついれてやることができん。そこで、こんどはひとつ、わしの思っていることをやってみたい。おまえはこの土地をはなれなければいかん。つまり、わしはおまえを、ある名高い先生にあずけようと思うのだ。その先生が、おまえをなんとかしてくださるだろう。」

こうして、若者は知らない町にやられて、その先生のところにまる一年おりました。一年たって、むすこはかえってきました。そこで、おとうさんはたずねました。

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