グリム ヴィルヘルム・カール・グリム ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール
ホレおばあさん
ある後家さんに、ふたりのむすめがありました。そのうちのひとりははたらきもので、美しい子でしたが、もうひとりはみにくいうえに、たいへんななまけものでした。
けれども、後家さんはこのみにくいなまけもののほうの子をずっとかわいがっていました。だって、この子はじぶんのほんとうのむすめなんですからね。もうひとりの女の子のほうは、うちじゅうのしごとをなにからなにまでやって、年がら年じゅう、灰だらけになっていなければなりませんでした。
かわいそうな女の子は、まい日大通りへでて、泉のそばにこしをおろして、指から血がでてくるほど、たくさんの糸をつむがなければなりませんでした。
さて、あるときのことでした。糸巻きが血だらけになりましたので、女の子は泉にかがみこんで、糸巻きをきれいにあらおうとしました。ところが、糸巻きは女の子の手からするっとすべって、泉のなかにおちてしまいました。