グリム ヴィルヘルム・カール・グリム ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール
としよりのお祖父さんと孫
むかし昔、あるところに石みたようにとしをとったおじいさんがありました。おじいさんは、目はかすんでしまい、耳はつんぼになって、膝は、ぶるぶるふるえていました。おじいさんは、食卓にすわっても、さじをしっかりもっていられないで、スープを食卓布の上にこぼしますし、いちど口に入れたものも、逆もどりして流れでるようなありさまでした。
おじいさんのむすこと、むすこのおかみさんは、それを見ると、胸がわるくなりました。そんなわけで、おおどしよりのお祖父さんは、とうとう、ストーブのうしろのすみっこへすわらされることになりましたし、むすこ夫婦は、おじいさんの食べるものを、素焼きのせともののお皿へ盛りきりにして、おまけに、おなかいっぱいたべさせることもしませんでした。おじいさんはふさぎこんで、おぜんのほうをながめました、おじいさんの目は、うるみました。
あるときのこと、おじいさんのぶるぶるふるえている手は、お皿をしっかりもってることができず、お皿はゆかへ落ちて、こなみじんにこわれました。わかいおかみさんは、こごとを言いましたが、おじいさんはなんにも言わずに、ためいきをつくばかりでした。
おかみさんは、銅貨二つ三つで、おじいさんに木の皿を買ってやって、それからは、おじいさんはそのお皿で食べることにきめられました。