山川 方夫新年の挨拶夫が受話器を置いたとき、彼女は腕時計を見た。「ちょうど三十分間ね、今年も」元旦の昼ちかい光が、ガラス戸ごしに部屋に流れている。夫は、しばらくは口をきかなかった。「恒例の、新年のご挨拶ね?」青空文庫の作品カード