永井 荷風・永井 壮吉

冬日の窓

○

窓の外は鄰の家の畠である。

畠の彼方に、その全景が一目に眺められるやうな適当の距離に山が聳えてゐる。

山の一方が低くなつて樹木の梢と人家の屋根とに其麓をかくしてゐるあたりから、湖水のやうな海が家よりも高く水平線を横たへてゐる。

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