山川 方夫

愛の終り

ドアが開くと、一人の青年が入ってきた。青年は流行のシルキイな布地の背広をぴったりと身につけ、暗緑色のサン・グラスで顔をかくしていた。そのまま、彼はすばやく室内をながめた。

彼女はゆっくりとベッドから起き上った。

「いらっしゃい、坊や」

青年はサン・グラスをはずした。色白で女性的な面だちの、ただ眉だけが濃いその顔に、いかにも人工的な、不自然な微笑がうかんだ。

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