グリム ヴィルヘルム・カール・グリム ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール
子どもたちが屠殺ごっこをした話
(一)第一話
西部フリースランド(オランダ)にあるフラネッケルという名まえの小都会で、五歳か六歳ぐらいの女の子と男の子、まあそういったような齢のいかない子どもたちが遊んでいました。
やがて、子どもたちは役わりをきめて、一人の男の子に、おまえは牛や豚をつぶす人だよと言い、もう一人の男の子には、おまえはお料理番だよと言い、またもう一人の男の子には、おまえは豚だよと言いました。それから、女の子にも役をこしらえて、一人は女のお料理番になり、もう一人はお料理番の下ばたらきの女になることにしました。この下ばたらきの女は、腸づめをこしらえる用意として、豚の血を小さい容器に受ける役目なのです。
役割がすっかりきまると、豚をつぶす人は、豚になるはずの男の子へつかみかかって、ねじたおし、小刀でその子の咽喉を切りひらき、それから、お料理番の下ばたらきの女は、じぶんの小さないれもので、その血をうけました。