グリム ヴィルヘルム・カール・グリム ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール
死神の名づけ親(第二話)
ある貧しい男にむすこが生まれましたが、なにしろひどい貧乏なので、名づけ親になってやろうという人が、たれひとり見つかりません。一軒一軒あるいてみましたけれど、むだぼねおりでした。そこで、ことによると、だれか通りがかりの人が気のどくに思って承知してくれるかもしれないと、そんなことを当てにして、大通へ腰をおろしました。
まもなくやってきたのは、けだかい服装をした美しい女です。びんぼう人が用事をたのんでみると、そういう御用ならやってあげましょうと、はっきりうけあってくれました。
「お名まえをおっしゃっていただきたいのですが」と、男が言いました、「あたくしは、みじめなくらしをしてはおりますが、あなたがどなたかうかがわないうちは、名づけ親になっていたただく[#「いたただく」はママ]わけにいかないので」
女は、金糸で星がいくつもぬいとりしてある面ぎぬを、ぱっとはらいのけて、