アンデルセン ハンス・クリスチャン

いいなずけ

こまとまりが、ほかのおもちゃのあいだにまじって、同じ引出しの中にはいっていました。あるとき、こまが、まりにむかって言いました。

「ねえ、おんなじ引出しの中にいるんだから、ぼくのいいなずけになってくれない?」

けれども、まりは、モロッコがわの着物を着ていて、自分では、じょうひんなお嬢さんのつもりでいましたから、そんな申し出には返事もしませんでした。

そのつぎの日、おもちゃの持ち主の小さな男の子がきました。男の子は、こまに赤い色や、黄色い色をぬりつけて、そのまんなかに、しんちゅうのくぎを一本、うちこみました。こまが、ブンブンまわりだすと、ほんとうにきれいに見えました。

青空文庫の作品カード