アーヴィング ワシントン
寡婦とその子
年老いた人をいたわりなさい。その銀髪は、
名誉と尊敬をつねに集めてきたのです。
――マーロウ作「タムバレーン」
わたしは田舎に住んでいるころ、村の古い教会によく行ったものだ。ほの暗い通路、崩れかかった石碑、黒ずんだ樫の羽目板、過ぎさった年月の憂鬱をこめて、すべてが神々しく、厳粛な瞑想にふける場所ににつかわしい。田園の日曜日は浄らかに静かである。黙然として静寂が自然の表面にひろがり、日ごろは休むことのない心も静められ、生れながらの宗教心が静かに心のなかに湧きあがってくるのを覚える。