原 民喜

もぐらとコスモス

コスモスの花が咲き乱れていました。赤、白、深紅、白、赤、桃色……花は明るい光に揺らいで、にぎやかに歌でも歌っているようです。

暗い土の底で、もぐらの子供がもぐらのお母さんに今こんなことを話していました。

「僕、土の上へ出てみたいなあ、ちょっと出てみてはいけないかしら」

「駄目、私たちのからだは太陽の光を見たら一ぺんに駄目になってしまいます。私たちの眼は生れつき細く弱くできているのです」

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