原 民喜
海の小品
蹠
あたたかい渚に、蹠に触れてゴムのやうな感じのする砂地がある。踏んでゐるとまことに奇妙で、何だか海の蹠のやうだ。
宿かり
じつと砂地を視てゐると、そこにもこゝにも水のあるところ、生きものはゐるのだつた。立ちどまつて、友は、匐つてゐる小さな宿かりを足の指でいぢりながら、
原 民喜
蹠
あたたかい渚に、蹠に触れてゴムのやうな感じのする砂地がある。踏んでゐるとまことに奇妙で、何だか海の蹠のやうだ。
宿かり
じつと砂地を視てゐると、そこにもこゝにも水のあるところ、生きものはゐるのだつた。立ちどまつて、友は、匐つてゐる小さな宿かりを足の指でいぢりながら、