宮沢 賢治
〔「銀河鉄道の夜」初期形一〕
〔ここまで原稿なし〕
そして青い橄※[#「木+覧」、16-3]の森が見えない天の川の向ふにさめざめと光りながらだんだんうしろの方へ行ってしまひそこから流れて来るあやしい楽器の音ももう汽車のひゞきや風の音にすり耗らされて聞えないやうになりました。
「あの森琴の宿でせう。あたしきっとあの森の中に立派なお姫さまが立って竪琴を鳴らしてゐらっしゃると思ふわ、お附きの腰元や何かが青い孔雀の羽でうしろからあをいであげてゐるわ。」
カムパネルラのとなりに居た女の子が云ひました。