作者不詳

現代語訳 平家物語

逆櫓

元暦二年の正月が来た。九郎大夫判官義経は、法皇の御所に行き、大蔵卿泰経朝臣へ奏上を頼んだ。

「平家一門は、神、仏からも見放され、君にも捨てられて、都を落ち、西海の波の上に漂う落人となって早や三年になりますが、その間、微力ながらまだ生き長らえ、諸国の通行を妨げておりますのは、何としても口惜しいこと、此のたび、義経、地の果、海の果までも平家一門を追いつめ、攻め落さなければ、二度と再び都の土を踏まない覚悟でございます」

法皇はこの義経の言葉を大変喜ばれ、

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