作者不詳

現代語訳 平家物語

小朝拝

寿永三年正月一日、法皇の御所は大膳大夫成忠の宿所、六条西洞院であるから御所としての体裁は整っていない。それ故、院の拝礼もなく、また内裏での行事である小朝拝も行なわれなかった。

屋島に立てこもる平家はここで新年を迎えたが、元旦の儀式がうまくゆかぬのは当り前である。主上はおいで遊ばすが節会も行なわれず、腹巻の奉納もなく、吉野の国栖人の歌舞奉仕もなかったので、

「いかに末世とはいえ、都にいればかかる有様はなかった」

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