森 於菟
魂魄分離
明代末葉のころらしい。
江西省南昌府の城門外数里の地に北蘭寺という古刹があった。数名の若者がその寺内にいくつかの房を借り、進士となるのを目的として科挙に応ずる準備の読書をしていた。
その中で魏生と張生とは気の合う所があったので、互いに何事も打ち明け、年長の魏生は張生を弟のごとくいたわり、張生はまた魏生を兄のごとく敬って、その交情は僚友もうらやむほどであった。
秋の初めごろ魏生はそこから余り遠くない郷里にいる母が病にかかったという知らせを受け取って看護のためにこれに赴いた。
森 於菟
明代末葉のころらしい。
江西省南昌府の城門外数里の地に北蘭寺という古刹があった。数名の若者がその寺内にいくつかの房を借り、進士となるのを目的として科挙に応ずる準備の読書をしていた。
その中で魏生と張生とは気の合う所があったので、互いに何事も打ち明け、年長の魏生は張生を弟のごとくいたわり、張生はまた魏生を兄のごとく敬って、その交情は僚友もうらやむほどであった。
秋の初めごろ魏生はそこから余り遠くない郷里にいる母が病にかかったという知らせを受け取って看護のためにこれに赴いた。