坂口 安吾

茶の間はガラあき

第三次世界戦争があるか、ないか。いつ起るか。どこのウチの茶の間の話も、日に一度ぐらいはそれにふれずにいられないような昨今である。そして、どこの茶の間の結論も、要するに「和戦両様の構え」らしい。

むかし――といっても、そう遠い昔ではないが、軍人政治家がよく「和戦両様の構え」と言っていた。今はもっぱら日本の茶の間の態勢である。茶の間には国政を左右する何らの力もないから、もっぱら和戦両様の構えにまわるのは仕方がない。

分らないのは政府や政党の構えだが、あなたも和戦両様ですか? ところがむかしの軍人よりも戦争一本槍の構えのようだな。

思惑で国策をたてるのは弱小国の通例かも知れないが「優秀な」弱小国は必ずしもそうではなかった。

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