中谷 宇吉郎
人工衛星の発射地
この前、ソ連の人工衞星計畫のことを書いたが、アメリカのこの計畫も着々進行しているようである。
最初の人工衞星は、一九五八年の十二月までには、發射する計畫になっている。即ちこれから三年内には、實行されるわけである。人間はもちろん乘せず、小型のものであるが、いろいろな自動觀測機械を乘せるので、今まで全然未知であった空間(スペース)の知識が大いに得られる見込みである。
映畫カメラを設備するそうであるから、巧く行けば、地球の外から地球を眺めた景色が見られるかもしれない。そういう映畫だったら、どんな無理をしても是非見たいものである。地球の外から地球を見るなどということは、人類創成以來初めての事件で、よい時代に生まれ合わせたものである。
この計畫の實施について、アメリカのロケット協會の主催で、專門家の會議が、三日間、シカゴ郊外のノース・ウェスタン大學で開かれている。その會に集まった人たちの意見では、フロリダ州のマイアミの近くにあるココアという地點が、發射地として一番條件が備わっているということになったようである。空軍の誘導ロケット彈の試驗地のあるところで、そこが選ばれたらしい。