中谷 宇吉郎
南極の切手
アルゼンチンからきた手紙に、南極の切手が貼ってあって、ちょいと驚いた。地球觀測年を控えて、ここのところ南極が大分人氣が出ている。
南極大陸は、世界各國が狙った形になって、けっきょくいまのところ、どこの國の領土にもなっていない。暫定的に、南極を中心にして、自分の國の經度間にある扇形の部分を、その勢力範圍としている。そうすると、アルゼンチンには、約五十度の頂角をもった扇形部分が、割り當てられることになる。南極大陸の六分の一に近い廣い面積である。
切手の圖柄は、南米大陸と南極大陸の一部を出し、その中、アルゼンチン本土と、この扇形部分とが、斜線で示してある。南極の扇形部分が、自分の領土であると宣傳しようというのである。同樣な切手は、英國もチリィも出している。
「南極の切手(茶青二色刷)」のキャプション付きの図