新美 南吉

嘘

一

久助君はおたふくかぜにかかって、五日間学校を休んだ。

六日めの朝、みんなに顔を見られるのははずかしいなと思いながら、学校にいくと、もう授業がはじまっていた。

教室では、案のじょう、みんながさあっとふりむいて久助君の方を見たので、久助君はあがってしまって、先生のところへ欠席届を出し、じぶんの席へ帰るまでに、つくえのわきにかけてある友だちのぼうしを、三つばかりはらい落としてしまった。さて、じぶんの席について読本をひらいた。

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