宮本 百合子
秋風
秋風が冷や冷やと身にしみる。
手の先の変につめたいのを気にしながら書斎に座り込んで何にも手につかない様な、それで居て何かしなければ気のすまない様な気持で居る。
七月からこっち、体の工合が良くない続きなので、余計寒がりに、「かんしゃく持」になった。
茶っぽく青い樫の梢から見える、高あく澄んだ青空をながめると、変なほど雲がない。
宮本 百合子
秋風が冷や冷やと身にしみる。
手の先の変につめたいのを気にしながら書斎に座り込んで何にも手につかない様な、それで居て何かしなければ気のすまない様な気持で居る。
七月からこっち、体の工合が良くない続きなので、余計寒がりに、「かんしゃく持」になった。
茶っぽく青い樫の梢から見える、高あく澄んだ青空をながめると、変なほど雲がない。