宮本 百合子

黒馬車

時候あたりだろうと云って居た宮部の加減は、よくなるどころか却って熱なども段々上り気味になって来た。

地体夏に弱い上に、此の間どうしたのか頭の工合を悪くして三日ほど床について居た揚句にたべたかつおの刺身がさわったのだと云う事は確な事であった。

「まあほんとに不養生な、

 白肉のでさえたべない様にして居るのにねえ。

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