宮本 百合子

動かされないと云う事

武者小路さんの「後に来る者に」の中に動かされない強みと云う事の書いてあったのを覚えて居ます。

動かされないと云う事を今の私は或る意味で非常にのぞんで居る事です。

私の狭い智や愛、まだ年の工合で、時々は自分の恐れを感じるほど物事に動かされます。

一冊本を読めば大抵の時は何かもうすっかり心の底まで感激して仕舞う様な事が有って、その度びに自分を情なく思ったり――勿論情なく思いきりでへこたれはしませんけれ共――まあまあと思って見たりします。

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