海野 十三

特許多腕人間方式

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×月×日 雨。

午前十時、田村町特許事務所に出勤。

雫の垂れた洋傘をひっさげて、部屋の扉を押して入ったとたんに、応接椅子の上に、腰を下ろしていた見慣れぬ仁が、ただならぬ眼光で、余の方をふりかえった。

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