杉山 萠円・夢野 久作
白髪小僧
第一篇 赤おうむ
一 銀杏の樹
昔或る処に一人の乞食小僧が居りました。この小僧は生れ付きの馬鹿で、親も兄弟も何も無い本当の一人者で、夏も冬もボロボロの着物一枚切り、定った寝床さえありませんでしたが、唯名前ばかりは当り前の人よりもずっと沢山に持っておりました。
その第一の名前は白髪小僧というのでした。これはこの小僧の頭が雪のように白く輝いていたからです。
杉山 萠円・夢野 久作
第一篇 赤おうむ
一 銀杏の樹
昔或る処に一人の乞食小僧が居りました。この小僧は生れ付きの馬鹿で、親も兄弟も何も無い本当の一人者で、夏も冬もボロボロの着物一枚切り、定った寝床さえありませんでしたが、唯名前ばかりは当り前の人よりもずっと沢山に持っておりました。
その第一の名前は白髪小僧というのでした。これはこの小僧の頭が雪のように白く輝いていたからです。