岡本 綺堂

半七捕物帳

一

秋の夜の長い頃であった。わたしが例のごとく半七老人をたずねて、面白い昔話を聴かされていると、六畳の座敷の電灯がふっと消えた。

「あ、停電か」

老人は老婢を呼んで、すぐに蝋燭を持って来させた。

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